アルフォンス・デーケン先生
こんにちは、かとうや藤原です。
私の母校の名誉教授でいらっしゃったアルフォンス・デーケン先生が9月7日に88歳でご逝去されたというニュースを知りました。
ただ先生の一講義を学生時代に1年受けたことがあるだけで、特に親しくさせていただいていたわけではもちろんありませんが、大学を卒業してからも、まったく学校繋がりでない方から、「デーケン先生の講義を聞きにいった」というお話を聞いたことがありますし、NHKで講座も持っていらっしゃったいましたし、テレビに出演されていることもありましたので、卒業してからもお名前をどこかで拝見する機会が何度かありました。
今回先生の訃報を知って思うところがあったので今日はそのことについて書きたいと思います。
学生時代に受けた講義「死の哲学」
デーケン先生は「死生学」という学問を日本で初めて提唱されたことで有名で、たぶん上智大学を卒業されたある一定の年代の方なら、かなりの数の学生が受講したのではなかという講座があります。その名も「死の哲学」。
人気講座なので毎週水曜日、講堂で授業は行われてました。
この講座に登録する意図は、正直まあ日本の学生らしく人それぞれ、人気の理由も人それぞれだったですが、19歳の私もみんなが取る授業だからくらいの気持ちで受講しました。
先生の本が教科書になりますが、休み時間中に持っていくともれなくサインをしてくれます(笑)
どんな内容かというと、ずばり「死への準備教育」。
死との向き合い方を若いうちから学び、最期まで心豊かに生きようという内容です。
今でこそエンディングノートなど、終活が推奨されていますが、日本では「死」について語り合うことはタブー視されていた歴史があり最初は大学側からも反対があったそうです。
ドイツ人。少年時代は第二次世界大戦真っただ中
先生が死生学を研究されるに至ったのには先生の少年時代に一つの理由があるようです。
デーケン先生の幼い頃は、第二次世界大戦中真っただ中。幼いながらも「死」が身近で「死」について考えなければならない場面が多かったそうです。昨日遊んでいたお友達が次の日焼夷弾で焼かれて黒焦げになっていたり、妹さんがご病気で亡くなられたり。
ファミリーの中にはカトリックの関係者も多かったらしく、当時のドイツにおいてご一家は反ナチ運動をしていたそうです。そしてデーケン先生は学校で成績優秀者だったがためにナチの指導者学校(いわゆるエリートコース)へ推薦されたけれどもそれを子どもながらに断ったそうです。
当時を生きていない私にはわかりませんが、当時のナチスの勢いから想像するに断るって、普通できない空気だったのではないかと。映画やドキュメンタリーを見る限り、一家が反ナチ運動をしていれば場合によっては強制収容所行きも考えられるわけです。
自分の主義主張を通すって、今の緩い世界でも相当勇気がいることですが、それが生死を左右する場面の連続の中、貫いたデーケン先生とそのご家族のすごさと言ったら。
その後ドイツは敗戦を迎えるわけですが。ご一家を悲劇が襲います。
ドイツ降伏時、連合軍を歓迎しようとしたおじい様を連合軍兵士に射殺されてしまいます。その時、先生はいろいろな矛盾を抱え、元々カトリックのご家庭だったのですが自分自身で信仰についてを考えられるようになったそうです。。。
以上のお話は実は学生時代は知らず今回ググってみたことです。
学生時代はカトリックの司祭さんだからこういう研究をされているのかなくらいにしか感じてなかったと思います。いやそこまでも想像してなかったかも。背景なんて考えてもみませんでした。壮絶な体験の中、死生学を研究されるに至ったのかということを今回知り、学生時代の自分の浅はかさに改めて気が付きました。
ユーモアを持つ
そう、これは覚えてます。
死を日々意識して生きることは大事だけれども、どんな場面に直面してもユーモアを持ちなさいとデーケン先生はよく仰ってました。
ユーモアの感覚を持つことは、人間らしく幸せに生きるためにどうしても必要だと。
反ナチ運動をしていたお父様もお家ではとてもユーモアのある人だったそうです。
当時は、「へー」くらいの感覚だったのですが、40を目前にした今、先生の言葉が沁みます。ユーモアはもちろん自分も幸せになれますが人も幸せにしますね。
閉塞感をどうしても感じてしまう今のご時世、楽しむという気持ちを忘れないで日々過ごしたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
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